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5月16日 長野県大鹿村でのレゲエパーティーと翌日の中川翔子ライブ夫の趣味はレゲエ。


 いや、趣味っつーかライフワークでありまして、最近、学生時代の友人に誘われて、レゲリーマンバンドなどというバンド活動を再開して、仕事ゾンビ状態からやっと人間レベルに復活している昨今なのですが、その関係上、この週末は、レゲエ仲間のお誘いにて、長野県は大鹿村の自宅コンサートへ行ってきました。

 この大鹿村、先にもブログで書いた、「TAO老師」の英米文学者・詩人の加島祥造氏も在住する伊那谷にあり、なんと、日本のヒッピーカルチャーの長老・内田ボブ氏も在住のいわばそのコミューンとしても名高い場所。ご存じのごとく、そっち方面とレゲエとは大変に相性はよいわけで、ライブ場所である宅のオーナー氏はもちろん、レゲエのドラムを叩き、奥様はアフリカン・ダンスを踊るという強力布陣。よって、この日のライブは、平均年齢たぶん全員50代、タイヘンに濃ゆいレゲエ人脈が終結しておりました。一歩玄関から足を踏み入れた瞬間、はっきり言って、吉岡家に道場破りに来ちゃった宮本武蔵の心境。「女ひとり寿司」の音楽版か、「お呼びでナイ」の植木等と言いますか、車座になって酒を飲んでいる全員の好奇の目が、東京のギミックと装飾をプンプン漂わせているだろうワタシにバシバシ注がれるのが痛いほどでございます。自宅内ギグはゆるーく始まったのですが、演奏がドえらく上手いのには超驚きました。プレイヤーたちはみな、レゲエという音楽とともにその強力なカルチャーの重力にガッチリハマり、それを実践なさっている方々なのだろうが、そんな中で長年じっくり練り込まれてきた匠の技はホントに凄くて、ギターもドラムもヤバいったらありゃしない。ただ、まあ、ねえ・・・。ラヴァースなんかはいいんですが、例のごとくの紋切り型の自然礼賛&文明批判なリリックが入ると思いっきり、心に興ざめのスイッチが入る私。しかし、まあ、伝統芸として、また、レゲエDNAの宿命コードと思えば、そんなに腹も立たないのですが(実際、そういった歌詞でも、オヤジたちのそれは上手いので聞けてしまうんですね)、20〜30代のギターひとり語りなんぞの連中が、そのもっとコンクでベタな歌詞を陶酔気味に歌う段になって、さすがに耐えられなくなり、外にひとり、散歩に行った私でした。霧のロマンチックな山中をi-podのフォーレとスタイリスティックスとトッド・ラングレンで一時間ほど歩き回って、戻ってみると、どうやら、夫が入れ知恵したらしく、ブルースを二曲ほど、私が叩くことになっていたのですよ。

 ええ、こうなりゃ、思いっきり叩きましたぜ! (まさに、吉岡道場対武蔵対決ですな)私のドラムはとにかく音色がでかくて良く鳴るのが身上でして、レゲエ仕様の浅胴スネアが悲鳴を上げるほど、バシバシ決めさせていただきました。レゲエのグルーヴ哲学の中には、スネアの2、4拍の重量感で押していくというパターンは無いわけで、一緒にやったオヤジたちは勝手が違ってやりにくかったでしょうね。嫌われたかな、と思ったら、みんな喜んでくれて、終わったらいろんな人が話しかけてきてくれて拍子抜けしちゃった。つらつら思うに、レゲエという音楽にとって不幸なのは、ブルース以上に「音楽単体の魅力よりもその歴史にあるメッセージ性」にハマるファンがあまりにも多いことだと思います。そこからのスタートでも、もちろん、音楽単体の魅力に到達しうるわけですが、もうそのころには、どんな表現もレゲエワールド傘下に強力に絡め取られてしまうというつまらなさ、がある。レゲエのサウンド自体にある一種の冷たさや理知的な細かさ(特にドラム)に由来するサウンドシステムの非人間性が私はとても好きなのですが、それをイメージの表看板で出したのはグレース・ジョーンズだけだもんね。


 翌日は、中川翔子ライブ。

 ちょっと、お疲れ気味だったのですが、萎える心身にむち打って、行ったのがホント、良かった! といいますかね。しょこたん、前回、初めて行ったときももちろん、そのめくるめく才能に驚かされたのですが、今回はサウンドそのものがナイス。全盛期の森高千里もカーネーションという凄腕がバックバンドでめちゃくちゃやったのがカッコよかったのですが、しょこたんバンドともいうべきバンドが今回、ガッチリ、サウンドを固めていて、テープは一曲だけ。なぜだか、ジェファーソン・エアプレインを思い出してしまった。とすれば、しょこたんはグレイス・スリックか? ということになるのですが、方向性は全く違えども、グレイスの華やかなロックカリスマぶりと今回のある意味、鬼気迫るしょこたんの力唱にはなぜか、通じるモノがあったのでした。  招待席の隣には、評論家の速水由紀子さんがいて久々の再会。次回の武道館は、マジでチケット買って、何人かでコスプレして行くとひそかに心に誓いました。ワタシ的にはこれはオタクの文脈ではなくて、DEVOのコンサートに黄色のジャンプスーツで行くがごとし。ところで、後ろから、ピンクの看護婦さんコスプレの女性がルミカライトを手渡してくれたのですが、どうも、その女性はしょこたんの母、桂子さんだったみたい。

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