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執筆者の写真湯山玲子

菊地成孔、ダブ・セクテッドの萌えポイントとは……。


 菊地成孔の勇姿。ADは宇川直宏。ゆえにクレーン。マトリックスリローデッドとも言えるが、鼠先輩ともいえる。


 菊地成孔 ダブ・セクステッド@DUO公演に行ってきました。   いやー、はっきり言って、今までのダブ・セクステッドの中で最高の出来! というか、さすがライブハウスなもんで、PA音響が抜群によかったんですね。ピアノもグランドだし、複雑にからみつき混在するすべての楽器の音のバトルの全貌がはっきりと立ち現れていました。特にダブ・ミキシング担当のパードン木村氏。彼の導入がこのジャズ集団のコンセプトでもあるのだけど、いつもは客席側での操作だったのに、今回はステージ上に陣地取り。結果、今までよりも数倍突っ込んだダブ介入が随所に見られ、特にドラムのスネア乱打にゲートエコーみたいな音色をかぶせて増幅した持っていきようは、サルゴジ新妻、カーラ・ブルーニーの問題歌詞「あなたは私のコカイン、アフガニスタンのヘロインよりも効く、コロンビアの白い粉よりも危険」級のハイライフ・アシッド感バリバリ。


 「暴力衝動をコンピューターとオーダーメイドスーツで冷たく制御する、菊地成孔率いる6人組の2枚目にして、二枚目の6人組」っていうのが、売り文句なんですが、コレにはまいった! 上手いっ。音楽系のコピーで私が今まで一番衝撃を受けたのが、某海外メタルバンドの「妖艶だ? 官能だ? 冗談じゃない。バイオレンスよ」っていうのがありましたが、それを大きく上回る出来。これ、本人が考えたんだろうけど、このバンドの実態そのまんまざんす。


 スーツの中で身もだえする男の肉体と精神というものは、ジャズのお家芸とも言えるエロス本質。テクニシャンによる攻守相まみえたインプロビゼーションは、どう考えたって、ナニの表徴。という見解でこの夜のプレイヤーを見ますと、私的にはドラムの本田珠也さんに超萌え!(私がドラムを学生時代かなり突っ込んでやっていたこともあって、この楽器にはちょっとうるさいのじゃ)彼のプレイは激しくワイルドに見えるのだけれど、瞬時に他の楽器の主張の見事な受け皿をつくっていく、というもの凄く繊細なもの。名シェフは素材の主張を自在に引き出して、その味をマックスに持って行くようなことをするけど、そういうタイプ。まあ、SMで言うたら、どんな攻めにも五倍の官能でお返しする谷ナオミっつーかね。それでいて、演奏自体のエネルギーは莫大なんで、そのギャップがまた色っぽいのよ。まあ、近藤勇よりも土方、ルパンよりも次元大介という嗜好ともいえます。


 そのほかにも、今回は菊地さん、ピアノの坪口さんのリフに前者にレゲエのドン・ドラモンド風、後者にニューオリンズ系のオフビートなフレーズが出てきたりして、おもしろかった。


 ちなみに終演後、楽屋見舞いに行って、菊地さんに本田氏との合コンもしくは汗ふき係りを頼んだら、激笑いされてしまいました。まあ、それは潔く諦めるとして、差し入れのカステラの半分は本田さんに差し上げてくだされ。


 ドラムは体力使うからねー。


 あっ、詳しくは以下に飛んでちょーだい。  視聴も出来ますよ。  http://www.ewe.co.jp/duborbits/top.html

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