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執筆者の写真湯山玲子

しょこたん、中川翔子との熱い夜


 しょこたんとワタシ。


 もはや、二週間以上前のことですが、しょこたんこと中川翔子のコンサートに行ってきました。

 行くまでの彼女に対する知識は、たぶんそのへんのオヤジよりちょっとマシ! ってな程度で、カワユス、ギガント、コスプレ、和製デビッド・ボウイだった故・中川勝彦の娘、マンガ「脳子の恋」の作者などなど。世間一般を見渡すに、そういう美少女オタクのアイドルはまあ、出てきて当たり前だろうと思っていたのですが、ちょっとン? とひっかかたのが「脳子の恋」でしたね。いやー、結構ダークなグロ趣味で、アイドルの表現とはほど遠いカルトな内容。どう考えてもテレビで愛嬌を振りまくあの可愛らしい姿と重なるところがひとつもなく、私、同性同名の作家(それも、男)がいてその人が書いているんだと、勝手に解釈していたぐらいだもの。

 さて、コンサートですが、場所は後楽園の中のJCBホール。ステージと客席の位置が近い良いホールです。

 美少年バンド(最近の若い奴らはみんな楽器、上手いね)と二人のセクシー系女性ダンサーを従え、ところどころに映像がインサートされるという王道の展開です。もちろん、客席ファンとのコール&レスポンス含めたしょこたんトークは大いなる見所なのですが、こ・れ・が、ホント凄いのよ!

 いやー、びっくりした。この反射神経と頭の良さはただ者ではない。しょこたん語も、こりゃ、彼女の内面から沸き上がってくるひとつの表現に近い。ほら、昔クラスでオリジナルフレーズをつくって学年に流行らせるような人気者がいたでしょ? そんな感じ。黒人のストリートスラングもきっと、オリジネイターがいたと思うんだが、それは彼女みたいな人物だったんでしょうね。のりピーの「マンモスラッピー」やさとう珠緒の「プンプン」などのアイドル言葉なんかとは違って、語彙の種類、その変格活用ともに底なし沼のように深いのだった。そういえば、後藤久美子のゴクミ語録という本が有りましたが、ゴクミのように少女の舌足らずのゆえに鋭い感性のものとはまた、ちょっと趣が違って、やっぱりひとつの言語体系まで行っている企てだなぁ。しょこたんワールドでコミュニケーションする一種の外国語、なのでしょうねぇ。

 客席から小さい女の子に「しょこたん、カワイー」とコールされたとたん、「カワユスなー、カワユス、カワユスッ。会場に響き渡る幼女の声~」としょこたん。幼女というワードを突然、出してくるセンスも凄いが、カワユス~ッの身もだえするような発声に、私、心根をがっちり捕まえられてしまいましたぜ。

 小泉今日子→森高千里に続く、カルチャー系アイドルの継承者であることは間違いないのですが、天然に加えこれだけ武器、スキルを持っているとは、将来、オソロシス。

 客席も面白くて、男オタクファンに迫る勢いで、女子の熱烈ファンがキャーキャー騒いでいる。森高の全盛期のコンサートは、オタク男のマッスでなんちゅーか、オナニーの情念がぐるぐる渦巻いていてちょっと辟易したのだけれど、時代は変わったもんです。  バックステージパスをもらっていたので、しょこたんご本人とも会うことが出来ました。ご本人、とってもマジメで正しく生きている人、という感じがしましたよ。

 その後、ワタナベエンターテインメント社長の渡辺ミキさんと寿司。ミキさんとはやっぱり、同世代感があるんだよね。「シャボン玉ホリデー」のラストソング、ザ・ピーナッツ歌うところの「スターダスト」を小学校の時、校庭のブランコに乗りつつ大声で歌っていた過去の時間は彼女のご両親が造り上げた偉大な文化のたまものだったわけですから。しかし、しょこたんといい、青木さやかといい、ニューモデルの女性像のアンテナに敏感なところが凄い。

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